Spotgramは、アニメ・映画・ドラマなどの作品と、現実世界の場所との関係を検索・発見し、実際の訪問や記録につなげるサービスです。
サービスの性質上、作品の場面画像やアートワーク等の著作物を一部表示する場合があります。
Spotgramでは、これらを作品そのものの鑑賞を目的として提供するのではなく、作品と現実の場所との対応関係を説明するための引用、または作品・スポット情報を検索・特定するための情報処理結果に付随する軽微な利用として、著作権法その他の関係法令を踏まえて設計・運用しています。
著作物の利用方法は、その目的と機能に応じて、主に以下の考え方に区分しています。
1. 作品の場面画像 ― 著作権法第32条「引用」
Spotgramでは、現実の場所と作品内の場面との対応関係を説明するため、作品の一場面を「Scene Reference(シーン参照)」として表示する場合があります。
例えば、
「この現実の場所が、作品ではどのように描かれているか」
を現地写真と比較して確認するための表示です。
また、Spotgramの撮影機能では、作品内の構図と現実の風景を比較しながら撮影できるよう、Scene Referenceをカメラプレビュー上に一時的に重ねて表示することができます。表示のオン・オフや透明度を調整することで、現地の風景と作品内の構図、方向、画角等を確認しながら撮影するための補助として利用できます。
このオーバーレイ表示についても、作品画像そのものの鑑賞を目的とするものではなく、現実の場所と作品内の場面との対応関係を視覚的に比較・確認するための参照として位置付けています。なお、シャッターを押して保存される写真にScene Referenceは合成されず、作品画像を含まない現地写真として保存されます。
これらの利用については、著作権法第32条に定められる「引用」を基本的な法的根拠として設計しています。
著作権法第32条では、公表された著作物について、「公正な慣行に合致」し、「引用の目的上正当な範囲内」であれば引用して利用できるとされています。文化庁も、引用部分とそれ以外の部分が明確に区別されていること、引用する側と引用される側の主従関係、利用目的・方法・態様、著作権者への影響等が判断要素となると説明しています。 (文化庁)
Spotgramでは、Scene Referenceについて、次のような設計・運用を行います。
- 作品画像そのものの鑑賞ではなく、現実の場所との比較・説明を目的とすること
- 現地写真、位置情報、スポット情報等を主体とし、作品画像を参照情報として扱うこと
- 引用部分であることをUI上で明確に区別すること
- 「引用」等の表示を行うこと
- 作品名、エピソード等、合理的に確認可能な出所情報を表示すること
- 比較・説明に必要な範囲を超えた画像利用を行わないこと
- Scene Reference単体を作品鑑賞用コンテンツとして提供しないこと
- 撮影支援機能では、Scene Referenceを現実の風景との比較に必要な範囲で一時的に重ねて表示すること
- 撮影された写真にはScene Referenceを合成せず、作品画像を含まない現地写真として保存すること
SpotgramにおけるScene Referenceは、作品の代替物を提供するものではなく、現実の場所と作品との関係を理解し、現地でその対応関係を確認するための参照情報として位置付けています。
2. アートワーク・サムネイル ― 著作権法第47条の5
Spotgramでは、作品を検索・特定し、作品に関連するスポットを発見しやすくするため、作品のアートワーク等を縮小したサムネイルとして表示する場合があります。
これらについては、著作権法第47条の5に定められる「電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用」を踏まえて設計しています。
同条では、コンピュータを利用して「所在検索」や「情報解析」を行い、その結果を利用者に提供するサービスについて、その目的上必要な限度で、結果提供に付随して著作物を軽微に利用できる仕組みが設けられています。文化庁は、検索結果に付随するスニペットやサムネイルなどを典型例として説明しています。
Spotgramでは、アートワークそのものを閲覧・鑑賞することを目的とせず、検索結果や作品情報を視覚的に識別するための補助情報として利用します。
3. 文字による作品検索
ユーザーが作品名等を入力した場合、Spotgramは該当する作品やスポットを検索します。
検索結果に作品名、スポット数その他の情報とともに小型のアートワークを表示する場合があります。
この場合、
検索結果そのものが主
であり、
アートワークは検索結果を識別・確認するための従たる情報
という関係になるよう設計しています。
文化庁も、著作権法第47条の5について、情報処理結果が「主」、サムネイル等の著作物の利用が「従」であることを「付随」の判断における重要な考え方として示しています。
4. 地図・位置情報による検索
Spotgramにおける検索は、文字入力だけではありません。
ユーザーが地図を移動・拡大縮小すると、その時点で表示されている緯度・経度の範囲を条件として、該当するスポットや作品を検索します。
例えば、
現在表示している地図範囲
→ その範囲内のスポットを検索
→ 関連作品を特定
→ 作品を識別するアートワーク付きAnnotationを表示
という情報処理を行います。
そのため、地図上に表示される作品アートワークについても、単なる装飾画像ではなく、位置情報を条件とした検索結果を識別するためのサムネイルとして位置付けています。
著作権法第47条の5第1項第1号は、利用者自身によるキーワード入力を必須としていません。文化庁も、利用者の嗜好等に応じてサービス提供者側が検索条件を決定する「プッシュ型」の検索サービスも所在検索サービスに該当し得ると説明しています。
5. 「発見しよう」等の自動検索・ランキング表示
Spotgramでは、ユーザー自身が検索文字列を入力しない場合でも、一定の条件に基づいて作品情報を検索し、表示する場合があります。
例えば、
- 人気順
- 新着順
- 地域別
- スポット数順
- 特定カテゴリー
- その他の条件
などです。
これらは、あらかじめ定められた検索条件を用いてSpotgramのデータベースを検索し、その結果を提供する機能です。
文化庁は、第47条の5第1項第1号について、「公衆の求めに応じること」を要件としておらず、サービス提供者側が検索条件を選択して結果を提供する、いわゆるプッシュ型検索も対象になり得ると説明しています。
Spotgramでは、このような結果に表示されるアートワークについても、検索された作品を識別し、その作品に関連するスポットへアクセスするための補助情報として扱います。
7. パーソナライズされたおすすめ
将来的にSpotgramでは、ユーザーが閲覧した作品、「行きたい」としたスポット、訪問・投稿履歴等を分析し、そのユーザーが興味を持つ可能性のある作品や場所を提示する場合があります。
このような情報解析については、著作権法第47条の5第1項第2号に定められる「情報解析サービス」の考え方を踏まえます。
同号の「情報解析」とは、多数の情報から言語、音、映像その他の要素を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことを含みます。
文化庁も、ユーザーのSNSへの書込みや閲覧内容等を解析して、そのユーザーが興味を持つと考えられるコンテンツを提示し、その結果とともに当該コンテンツの一部を提供するサービスを具体例として挙げています。
Spotgramでも、こうした機能を導入する場合には、アートワーク等を解析結果そのものではなく、結果を確認・識別するための付随的かつ軽微な表示として扱います。
8. 「作品について」画面におけるアートワーク
Spotgramでは、スポットに関連する作品について、あらすじ、作品タイプ、公開・放送時期、エピソード数、Spotgram内のスポット情報等を確認できる画面を提供しています。
この画面にアートワークを表示する場合も、その目的はアートワーク自体を鑑賞することではなく、
「現在閲覧しているスポットが、どの作品に関連するものかを識別すること」
および、
「その作品に関連する他のスポットを検索・発見すること」
にあります。
そのため、アートワークについては、
- 作品名その他の情報と組み合わせて表示する
- Spotgram内のスポット数やマップへの導線と関連付ける
- アートワーク単独の拡大・保存・鑑賞機能を設けない
- 作品情報・スポット検索機能を主とし、アートワークを従たる表示とする
といった設計を基本とします。
文化庁は「軽微」かどうかについて、利用部分の割合や量だけでなく、画像の場合には表示精度や表示サイズ等の外形的要素も考慮されると説明しています。
9. あらすじ・作品情報
作品名、公開年、作品タイプ、話数等の客観的な情報については、正確性を確認した上で掲載します。
あらすじについては、公式情報その他の信頼できる情報源を参考に事実関係を確認したうえで、原則としてSpotgram独自の文章として作成します。
公式サイト等に掲載されている文章を、そのまま作品紹介文として転載することを基本方針とはしていません。
10. 著作物の「軽微な利用」に関する考え方
著作権法第47条の5における軽微利用は、単に「小さな画像であれば何でも利用できる」という規定ではありません。
文化庁は、次の要素等を踏まえて判断するとしています。
- 著作物全体に対して利用部分が占める割合
- 利用される量
- 画像等の表示精度
- 表示サイズ
- 情報処理結果と著作物利用との主従関係
- 著作権者の正規の市場や潜在的市場への影響
特に、著作物そのものの提供が情報処理結果と一体化し、著作物の鑑賞自体がサービスの目的となる場合には、「付随」と評価されない可能性があります。
Spotgramでは、この考え方を踏まえ、作品画像を検索・特定・比較等に必要な範囲に限定して利用します。
11. 著作権者の利益への配慮
著作権法第47条の5は、著作権者の利益を不当に害する場合には適用されません。
文化庁は、著作物の通常の利用市場と衝突する場合や、その潜在的な市場を阻害する場合等を判断要素として挙げています。例えば、作品の重要な部分を見ることで原作品を視聴・購入する必要性が実質的に低下するような形で提供することには注意が必要です。
Spotgramでは、
「作品視聴の代わりになるサービス」ではなく、
「作品との新たな接点を生み、現実の場所や地域、正規の視聴・購入、公式イベントや関連体験へとつなげるサービス」
であることを基本としています。
作品本編、アートワークその他の著作物についても、この目的を超えた利用を行わず、可能な場合には公式サイトや正規の視聴・購入先への導線を設けるなど、作品や地域との新たな接点につながるサービス設計を行います。
12. Apple Musicを利用した音楽再生
Spotgramでは、作品やスポットを巡る体験の一部として、Appleが提供するMusicKitおよびApple Music APIを利用した音楽再生機能を提供しています。
作品に関連する主題歌、エンディングテーマ、サウンドトラック等について、Apple Musicカタログ上の楽曲情報をもとに再生候補を構成し、Appleが提供するMusicKitの再生機構を通じて再生します。
Spotgramが楽曲の音源ファイルを独自に複製、保存または配布するものではありません。音楽の再生はApple MusicのサービスおよびMusicKitを介して行われ、再生・一時停止・スキップ等の操作についてもAppleが定めるMusicKitの利用条件に従います。(Apple Developer)
この音楽機能は、作品画像について適用を検討している著作権法第32条の「引用」や第47条の5の「軽微利用」とは異なり、Appleがデベロッパ向けに提供するMusicKitおよびApple Musicサービスの利用条件に基づいて提供しています。
また、Apple Music上の楽曲、アルバムアートワークその他のコンテンツについても、Appleの利用条件および関連ガイドラインに従って取り扱います。
13. ロケ地・聖地の位置情報について
Spotgramでは、作品の舞台・モデル地・撮影地等の位置情報を掲載する場合があります。
場所の名称や位置そのものと、作品の画像・文章等の著作物は性質が異なるため、著作権の問題だけでなく、現地の安全、プライバシー、施設管理、私有地への立入り等についても考慮する必要があります。
そのため、Spotgramでは、
公開された観光施設・公共空間等
については正確な位置を表示する一方、
個人宅、非公開施設、立入禁止区域、訪問により生活・営業・安全上の問題が生じる場所
については、位置精度の変更、注意事項の表示、掲載停止その他の対応を行う場合があります。
Spotgramに掲載されていることは、その場所への立入りや撮影を許可するものではありません。
現地では、施設管理者、土地所有者、自治体等が定めるルールに従ってください。
14. 権利者・施設管理者等からの申請
Spotgramでは、権利者その他の関係者からの申請を受け付けています。
著作物の利用について懸念がある場合には、内容を確認したうえで、
表示内容の確認
出典情報の修正
画像の差し替え
表示方法の変更
一時的な非表示
削除
等の対応を行います。
また、ロケ地・聖地についても、
位置が誤っている
私有地である
立入りを控えてほしい
安全上の問題がある
営業・生活に支障がある
等の場合には、関係者からの申請を受け付けます。
著作権法第47条の5によるサービスについては、文化庁も、法令の解釈に関する事前確認等の取組や、サービスに関する問い合わせを受けるための連絡先を明示すること等を、適正な運用のための措置として説明しています。
15. Spotgramの基本的な考え方
Spotgramは、作品を無断で再配信したり、作品画像そのものを鑑賞するためのサービスではありません。
Spotgramが実現しようとしているのは、
作品を知る
→ 現実の場所を発見する
→ 行ってみたいと思う
→ 実際に訪れる
→ 写真や体験を記録する
→ 次の人がその場所を発見する
という、作品と現実世界をつなぐ体験です。
そのために必要となる著作物の利用について、利用目的ごとに、
場面画像
→ 著作権法第32条「引用」
検索・地図・作品識別等に用いるアートワーク
→ 著作権法第47条の5第1項第1号「所在検索に付随する軽微利用」
ユーザーの嗜好等の分析によるおすすめ表示
→ 同項第2号「情報解析に付随する軽微利用」
という異なる法的構造を踏まえて設計・運用しています。
著作物の利用範囲を必要以上に広げるのではなく、作品と場所との関係を探し、理解するために必要な範囲に限定することをSpotgramの基本方針としています。
16. 本方針について
著作権法上の権利制限規定の適用は、個々の利用目的、方法、表示態様、利用量その他の具体的事情によって判断されます。
文化庁の解説についても、個別の事案における最終的な法的判断は司法によるものであると明記されています。
Spotgramでは、法令、行政機関が公表する解説、裁判例その他の動向を確認しながら、本方針およびサービスの表示・運用を必要に応じて更新します。
権利者・関係者の皆様からのご連絡についても、個別の事情を確認したうえで適切に対応します。